健康コラム

耳が遠いと感じたら原因と難聴チェックを!主な原因とチェック方法を解説

日常生活の中で、ふと「以前より耳が聞こえづらくなった」と感じる方がいるかもしれません。難聴の原因はさまざまですが、聞こえづらさは日常生活にも煩わしさを与えるため、早期に対処した方がよいでしょう。

この記事では、耳が遠いと感じる主な原因や難聴の種類について解説します。どの程度難聴が進んでいるのかチェックする方法や聞こえづらいときの改善策もみてみましょう。

耳が遠いと感じたら原因と難聴チェックを!主な原因とチェック方法を解説
【目次】
1.耳が遠いと感じるときの主な原因
耳垢の詰まり
過度な疲労やストレス
老人性難聴(加齢性難聴)
耳の中の損傷や炎症
中耳炎
耳硬化症
突発性難聴
メニエール病
耳管狭窄症
2.耳が遠いと感じたら原因に関らず、すぐに受診する
3.原因で分かれる難聴の種類と改善方法
伝音難聴
感音難聴
混合性難聴
生活の見直しと休息
4.耳の遠さを自宅で確認できる難聴チェック方法
5.まとめ

1.耳が遠いと感じるときの主な原因

耳が遠いと感じるときは、耳の病気や外傷などさまざまな原因が考えられます。

  • 耳垢の詰まり

    耳の中に耳垢が溜まると、耳を塞いで聞こえにくくなります。定期的に耳掃除をしていても、綿棒などで耳垢を奥に押し込めてしまう恐れがあります。耳には自然に耳垢を排出する働きがあるため、耳かきのしすぎには注意が必要です。

  • 過度な疲労やストレス

    疲れやストレスから自律神経が乱れ、難聴になる場合があります。人間関係や仕事のストレス、生活習慣の乱れが耳の聞こえ方にも影響を及ぼすのです。症状が軽い場合は十分な休息をとることで改善するケースもありますが、中には耳鳴りやめまいを併発してストレスが重なり、症状がひどくなる方もいるようです。

  • 老人性難聴(加齢性難聴)

    老人性難聴とは加齢とともにだんだん耳が遠くなる症状です。老化現象のひとつとして誰にでも起こりうるものですが、早いと30代から耳が遠いと感じ始める場合もあります。

  • 耳の中の損傷や炎症

    外部からの影響で鼓膜が損傷や炎症を受けているのかもしれません。工場の騒音下で仕事をする、ヘッドホンやライブ会場で長時間大音量の音楽を楽しむと、音の振動で鼓膜を傷つけることがあります。耳への殴打、耳かきなど外部からの衝撃で耳の中を損傷しているケースも考えられるでしょう。

  • 中耳炎

    中耳炎になると炎症による膿や液だれが起こり、だんだん耳が遠くなる場合があります。風邪をきっかけとした急性中耳炎や、症状が慢性化する慢性中耳炎など種類はさまざまです。放置すると骨を溶かして重度の難聴を招くものもあり、注意する必要があります。

  • 耳硬化症

    耳硬化症とは耳小骨のひとつ「アブミ骨」が動きにくくなり、徐々に難聴を引き起こす病気で、原因は不明とされています。両耳に発症することが多く、耳鳴りやめまいを伴う場合もあるでしょう。男性より女性に発症しやすい病気です。

  • 突発性難聴

    急に耳が遠くなったと感じたのなら、突発性難聴の疑いがあります。片耳だけに発症し、発症前後に耳鳴りや吐き気、めまいを伴うケースも見られます。過労、ストレス、ウイルス感染などがきっかけとされていますが、明確な原因は不明です。早期治療により高い改善効果が見込めるとされています。

  • メニエール病

    メニエール病の症状のひとつに難聴があげられます。回転性のめまいや耳鳴りが起こり、吐き気を感じる場合もあるでしょう。30~50代に発症することが多く、個人差はありますが、何度も発作を繰り返すうちに難聴が進む人もいます。

  • 耳管狭窄症

    耳管が詰まり、耳がふさがっているように聞こえづらくなる症状を耳管狭窄症といいます。気圧の変化で耳が詰まったときのような状態になり、自分の声や呼吸音が響いて聞こえるのが特徴です。鼻炎や副鼻腔炎、上咽頭炎など耳鼻の炎症と合併して起こることが多いでしょう。

2.耳が遠いと感じたら原因に関らず、すぐに受診する

耳が遠くなる原因はさまざまですが、聞こえづらさを感じるなら思い当たる原因に関わらず早めに医師の診察を受けるようにしましょう。

耳の聞こえづらさは徐々に症状が進んだり、耳が遠いと感じるのが一時的だったりする場合が多く、受診が遅れるケースも少なくありません。早期に発見できれば投薬だけで治療できる病気もあります。

聞こえ方に少しでも違和感を抱いたのなら、自己判断で対処しようとせず、すぐに耳鼻科を受診することをおすすめします。

3.原因で分かれる難聴の種類と改善方法

難聴は原因によって種類分けでき、治療法も異なります。受診時の予備知識として、難聴の種類と耳が聞こえづらい際の改善方法を紹介します。

  • 伝音難聴

    伝音難聴とは外耳、中耳に原因がある難聴です。外耳道炎や急性中耳炎などは薬物投与で治療します。滲出性中耳炎や慢性中耳炎、耳硬化症などは手術で治療するケースが多いでしょう。

  • 感音難聴

    内耳、蝸牛神経、脳に原因がある難聴は感音難聴といいます。突発性難聴は早期なら投薬治療を行い、重度の場合は手術で改善を図ることがほとんどです。現段階では治療が困難な騒音性難聴は予防の重要性が強調され、加齢性難聴は補聴器の使用が勧められています。

  • 混合性難聴

    伝音難聴と感音難聴の2つが合併した混合性難聴の場合は、症状が最も強い箇所に応じた治療が施されます。症状の個人差が大きいため投薬や手術、補聴器の使用など治療方針は医師の判断に委ねられるでしょう。

  • 生活の見直しと休息

    耳が遠くなる病気のほとんどは生活習慣と大きな関係があるため、難聴を改善するには生活習慣の見直しが欠かせません。栄養バランスのよい食事や適度な運動、禁煙、しっかりとした休息を心がけましょう。また大きな音を避け、静かな場所で耳を休ませるといった予防策も必要です。

    リフレッシュ方法としておすすめなのが朝のウォーキングです。静かな環境で耳を休ませながら、適度な運動を行えます。その際、歩数計をつけて歩数の目標を決めてウォーキングすることが理想的です。自分の運動量がよくわかるため、いつもより歩数が少ないときは1つ手前の駅で降りて歩くようにするなど工夫をすれば、より効果的に運動できるでしょう。

4.耳の遠さを自宅で確認できる難聴チェック方法

気づかないうちに耳が遠くなっていることも多く、自覚するのが難しいケースもあります。以下の項目で3個以上当てはまる場合は難聴の可能性が高いため、早めに受診することをおすすめします。

<難聴チェックリスト>

  • 呼びかけに気づかないことがある
  • 聞き間違いが多い
  • 会話中によく聞き返す
  • 話す声が大きいと言われるようになった
  • TVや携帯の音が今までと同じ音量なのに急に聞こえにくくなった
  • 起きたら突然、聞こえづらくなっていた
  • 夕方になると聞こえにくくなる
  • 耳の詰まった感じや耳鳴りが続いている
  • めまいがするときがある
  • 睡眠不足や疲労がたまっている
  • 精神的なストレスを感じている
  • 大きな音がする環境にいる時間が長い

セルフチェックや知人・家族に聞くなどして、日頃から耳の聞こえやすさをチェックすると安心です。

5.まとめ

耳が聞こえづらくなる原因は、ストレス、疲労や外傷による損傷などさまざまです。メニエール病や耳硬化症、耳管狭窄症など難聴が伴う病気の可能性もあるでしょう。また、加齢によるものや耳垢が詰まっているケースも考えられ、自己判断は難しいといえます。

耳が遠いと感じる原因によって伝音難聴、感音難聴、混合性難聴の3種類に分けられ、症状によっては早期治療が重要なこともあります。耳が遠いと感じたら耳鼻科にて原因を解明し早めの対処を行いましょう。

【参考URL】

「難聴の種類及び一般的な治療法」(難聴治療の専門サイト 滋賀県高島市の耳鼻科・耳鼻咽喉科なら土田医院)
https://tsuchida-cl.com/nancyou/kind.html

「自己診断チェックリスト」(難聴治療の専門サイト 滋賀県高島市の耳鼻科・耳鼻咽喉科なら土田医院)
https://tsuchida-cl.com/nancyou/self_check.html

「難聴について」(Hear well Enjoy life. – 快聴で人生を楽しく - | 日本耳鼻咽頭科学会)
https://www.jibika.or.jp/owned/hwel/hearingloss/

「健康の森[日本医師会ホームページ]メニエル病」(日本医師会)
https://www.med.or.jp/forest/check/meniel/01.html

「耳鳴りについて - 過労やストレスから起こる軽度の難聴 - 医療コラム」(千代田区医師会)
https://www.chiyoda-med.or.jp/column/article_ol_002.php

「耳が遠い原因は?難聴のタイプや原因、症状や疾患について解説!」(フランスベッド)
https://medical.francebed.co.jp/special/column/80_deafness.php

関連商品

TOP