健康コラム

妊活にいい栄養素

妊活中は心と体のコンディションを整えることが大切です。中でも、日々の食事は妊娠しやすい体をつくるための基本となる習慣です。

この記事では、妊活をサポートする栄養素や食材、避けたい食品、そして無理なく続けられる食生活のポイントについて詳しく解説します。

これから妊活を始める方も、既に取り組んでいる方も、ぜひ参考にしてみてください。

【目次】
1.栄養を摂ることも大切な妊活
2.妊活におすすめの栄養素・食材
葉酸
ビタミンE
亜鉛
鉄分
たんぱく質
カルシウム
3.妊活中は注意した方がよい栄養素・食材
ビタミンA
アルコール
4.妊活中の食生活で注意すべきポイント
バランスのよい食事
炭水化物をきちんと摂る
無理なく自分のペースで
5.まとめ

1.栄養を摂ることも大切な妊活

妊活においては、妊娠しやすい体づくりのために日々の食事から十分な栄養を摂ることが大切です。

栄養が不足すると、女性はホルモンバランスの乱れや体調不良、男性は精子の質の低下などにつながり、妊娠に適した状態を保ちにくくなります。反対に、健康な体はストレスにも強くなるため、より良い卵子や精子を育みやすい状態を維持しやすくなります。

そのため、日々の食事を通して栄養バランスを整えることが妊娠の可能性を高める大切な土台になるのです。

2.妊活におすすめの栄養素・食材

妊活中は食事の栄養バランスを意識して生活を送ることが大切です。ここでは、特に摂取したい栄養素と、それを含む代表的な食材をご紹介します。

  • 葉酸

    葉酸は胎児の神経管の形成に関わる非常に重要な栄養素です。神経管は妊娠を知るより前の時期(一般的には受胎後約28日)に形成されることが多いため、妊娠前からの摂取が推奨されています。

    普段の食生活で不足している場合はサプリメントで補うのも効果的です。

    おすすめ食材:ブロッコリー、ほうれん草、アボカド、レンズ豆、枝豆

  • ビタミンE

    抗酸化作用により、卵子や精子の質を保ちます。さらに血流を促進し、子宮内膜の状態を整える効果もあるとされています。

    おすすめ食材:アボカド、ナッツ類(アーモンド、くるみ)、かぼちゃ、オリーブオイル

  • 亜鉛

    卵子や精子の成熟に必要不可欠な栄養素で、ホルモンバランスの維持にも関わります。

    慢性的な不足は妊娠力の低下につながるため注意が必要です。

    おすすめ食材:牡蠣、牛肉、レバー、卵黄、納豆、まいたけ

  • 鉄分

    鉄分は妊娠中の貧血予防や胎児の健やかな成長に欠かせません。

    月経のある女性は日常的に鉄分が不足しやすいため、妊活中からの積極的な摂取が望まれます。ビタミンCと一緒に摂ると吸収が高まるため、できれば同じタイミングで摂取しましょう。

    おすすめ食材:ほうれん草、ひじき、レバー、牛赤身肉、あさり、かつお

  • たんぱく質

    たんぱく質は卵子や精子の材料となる、体づくりの基本です。

    妊活中から意識してしっかり摂取しておくことが、妊娠後の赤ちゃんの成長にもつながります。

    おすすめ食材:肉、魚、大豆製品(豆腐、納豆)、卵

  • カルシウム

    妊娠に備えて、骨や歯の形成を助けるカルシウムも意識しておきたい栄養素です。

    特に妊娠中は胎児への供給量が増えるため、妊活段階からの摂取が推奨されます。

    おすすめ食材:牛乳、チーズ、サバの味噌煮

3.妊活中は注意した方がよい栄養素・食材

妊活においては、健康的な体を作るために必要な栄養素をしっかり摂ることが大切です。

そのため、摂りすぎてはいけない栄養素や食材についても知っておきましょう。

  • ビタミンA

    ビタミンAは皮膚や粘膜の健康を保つために欠かせない栄養素ですが、動物性のビタミンA(レチノール)を過剰に摂取すると、胎児の発育に悪影響を及ぼす可能性があるとされています。

    「摂取を避けるべき」というわけではありませんが、たくさん食べすぎないよう心がけるとよいでしょう。

    特にレバー類にはビタミンAが豊富に含まれているため、摂取量には注意が必要です。

  • アルコール

    少量のアルコールであれば妊活に大きな影響を及ぼさないという報告もありますが、過剰な摂取はホルモンバランスを乱し、排卵や精子の質に影響を与える可能性があります。

    また、妊娠後は胎児へのリスクを考えてアルコールの摂取を控える必要があります。妊娠後に備えて、妊活中の段階からアルコールをなるべく控えることが望ましいでしょう。

4.妊活中の食生活で注意すべきポイント

妊活を成功に導くためには、心身ともに健康な状態を保つことが大切です。中でも、毎日の食生活は妊娠しやすい体づくりの基本。無理のない範囲で、できることから見直していきましょう。

  • バランスのよい食事

    主食・主菜・副菜をそろえた食事を基本に、野菜・たんぱく質・炭水化物・ビタミン・ミネラルなどをバランスよく摂取しましょう。

    ただし、妊活中だからといって特別な食事を用意する必要はありません。大切なのは、普段と変わらず健康な体を作るという意識です。

  • 炭水化物をきちんと摂る

    妊活中は、将来の妊娠や出産に向けてエネルギーを蓄えることも大切です。体形を気にして炭水化物を控える女性も多いですが、エネルギー不足は体の冷えやホルモンバランスの乱れにつながることもあります。

    妊活中の方は主食をしっかり摂って適量の炭水化物を摂るよう意識しましょう。

  • 無理なく自分のペースで

    「妊活のために○○しなければ」と気負いすぎると、かえってストレスが溜まり逆効果になることもあります。

    栄養バランスに気を配りながらも、自分のペースで無理なく取り組むことが大切です。完璧を目指すより、できる範囲で継続することを優先しましょう。

5.まとめ

妊活中の食生活では、妊娠に必要な栄養素をしっかりと摂ることが、健康な体づくりと赤ちゃんを迎える準備につながります。

葉酸や鉄分、たんぱく質などの栄養素を意識しながら、バランスの取れた食事を心がけることが基本です。

とはいえ、無理をせず、自分のペースで続けることも大切です。食事を通じて前向きに妊活と向き合い、健やかな毎日を過ごしていきましょう。

教えてくれたのは・・・
錦 惠那 先生
【保有資格】
内科専門医、産業医
【プロフィール】
関西圏の医学部卒業。現在は内科医として市中病院で診療を行っている。
腎臓病、透析医療を専門分野とし、産業医としても活動している。病気の予防は治療と同等に重要であり、予防医学の理解を深めてもらうため、病気やヘルスケア情報の発信にも取り組んでいる。
私生活では1児の母でもあり、日々育児にも奮闘している。
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