妊娠の年齢の関係
妊娠のしやすさは年齢とともに変化していきます。女性の身体は基本的に年齢を重ねるほど妊娠しづらくなっていくため、妊活を行う場合は早め早めに対策を打つことが重要です。
本記事では、加齢と妊娠の関係や、不妊の原因、妊娠に向けた対策について詳しく説明します。

- 【目次】
- 2.加齢により不妊が増加する原因
- 卵巣予備能の低下
- 卵子の質の低下
- ホルモンバランスの変化
- 婦人科疾患の増加
- 男性側の要因
- 3.妊娠を見据えた対策
- 生活習慣の改善
- 早めの受診が大切
- 妊娠しやすいタイミングの把握
1.加齢とともに妊娠する確率が減る
女性の妊娠率は30歳を過ぎると徐々に低下し、特に35歳以降はその傾向がより強まるといわれています。また加齢とともに流産のリスクも高まり、妊娠が成立しても継続が難しくなることがあります。
また、加齢による妊娠率の低下は人工授精や体外受精などの不妊治療を行った場合でも同様に見られます。そのため、妊娠を希望する場合は年齢に応じた選択肢を早めに考えることが大切です。
2.加齢により不妊が増加する原因
年齢を重ねると、体の働きやホルモンのバランスが変化することで、妊娠に影響が出ることもあります。本章では、加齢によって妊娠の可能性がどのように変わるのか、その背景について説明します。
- 卵巣予備能の低下
女性の卵子の数は生まれたときに決まっており、年齢とともに減少します。
卵巣に残っている卵子の数(卵巣予備能)の低下は30代以降顕著になると言われており、排卵が不規則になって自然妊娠が難しくなります。
- 卵子の質の低下
加齢に伴い卵子の質が低下して受精しにくくなり、受精しても発育が止まることが増えます。
そのため、流産や不妊が増えていきます。
- ホルモンバランスの変化
妊娠の成立と維持には、「エストロゲン」と「プロゲステロン」という女性ホルモンが欠かせません。
しかし、これらのホルモンは30代後半から分泌が減少し、40代になると急激に低下します。その影響で排卵が不規則になり、子宮内膜が着床しにくい状態になることがあります。
- 婦人科疾患の増加
年齢とともに、子宮筋腫や子宮内膜症、卵管炎などの婦人科疾患のリスクも高まります。これらの疾患は卵管の閉塞や着床不全を引き起こし、不妊につながることがあります。
特に子宮筋腫は、子宮の形に影響を与え、胚の成長を妨げる可能性があるため、妊活にあたっては治療が必要になります。
- 男性側の要因
不妊の原因が男性側にあるケースも考えられます。
男性の精巣は生涯にわたり精子を作り続けますが、加齢とともにその機能は徐々に低下します。男性の加齢と不妊の関係性については諸説ありますが、精巣の大きさの縮小や男性ホルモンの減少が影響し、精子の質にも変化が現れるといわれています。
3.妊娠を見据えた対策
妊活を円滑に進めるには、日々の生活習慣や健康管理が大切なポイントになります。
加齢による妊娠率の低下は基本的に避けられないことですが、適切な対策をとることで妊娠の可能性を高めることができます。
- 生活習慣の改善
加齢による妊娠率の低下を遅らせるためには、健康的な生活習慣を維持することが大切です。
妊娠に適した体重については(日本人女性の場合)BMI20~23の範囲が最も妊娠しやすく、胎児の健康にもよいとされています。BMI(体格指数)は、体重(kg)÷身長(m)÷身長(m)の計算式で求めることができるので、一度BMIをチェックしてみましょう。
妊娠を希望する場合は、やせ過ぎや過度な肥満にならないよう、なるべく適正なBMIを維持するのが理想的です。
- 早めの受診が大切
高齢での妊娠(一般的には35歳以上)を考えている場合、妊娠に影響を及ぼす病気がないかを早めに確認することが大切です。特に子宮内膜症や子宮筋腫などの婦人科疾患は不妊の原因になる可能性があるため、定期的な検診を受けましょう。
また、必要に応じて不妊治療を検討することも重要です。30代後半以降になると、自然妊娠の確率が低下するため、タイミング法や人工授精だけでなく、体外受精(IVF)や顕微授精(ICSI)などの生殖補助医療を視野に入れる必要が出てきます。
特に40歳以上では体外受精の成功率も低下するため、早めに専門医と相談して自分に合った治療方法を選択することが望ましいでしょう。
- 妊娠しやすいタイミングの把握
高齢になると自然妊娠の確率が低下するため、排卵のタイミングを正確に把握することが重要です。基礎体温を測定し、排卵日を予測することで、妊娠しやすい時期に適切なタイミングをとることができます。
また、排卵のタイミングをより正確に知る方法として、排卵検査薬の使用も有効です。排卵日を的確に把握することで、妊娠の可能性を高めることができるため、自分に合った方法を取り入れながら、計画的に妊娠に向けた準備を進めましょう。
4.まとめ
加齢とともに妊娠の確率が低下するのは、卵巣や精巣の機能変化、ホルモンバランスの影響、さらには婦人科疾患のリスク増加などが関係しています。そのため、妊活を始める時期が重要になります。
妊娠を見据えた対策としては、生活習慣を整えること、早めの受診がまずは大切です。加齢による影響を理解し、自分に合った方法で妊活を進めていきましょう。

- 錦 惠那 先生
- 【保有資格】
- 内科専門医、産業医
- 【プロフィール】
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関西圏の医学部卒業。現在は内科医として市中病院で診療を行っている。
腎臓病、透析医療を専門分野とし、産業医としても活動している。病気の予防は治療と同等に重要であり、予防医学の理解を深めてもらうため、病気やヘルスケア情報の発信にも取り組んでいる。
私生活では1児の母でもあり、日々育児にも奮闘している。