健康コラム

妊娠しやすいタイミング

妊活を進める方にとって妊娠しやすいタイミングを知っておくことは非常に大切です。

どのように妊娠しやすいタイミングを知るのか、妊活をスムーズに行うためのポイントなどを分かりやすく解説します。

【目次】
1.妊娠しやすいタイミングは「排卵日前」
2.妊娠しやすいタイミングの調べ方
前回の生理開始日から計算
おりものの変化
基礎体温を測る
排卵日検査薬
3.生理周期が妊娠のタイミングに与える影響
月経期~直後は妊娠しづらい
排卵前に妊娠しやすい環境が整う
4.まとめ

1.妊娠しやすいタイミングは「排卵日前」

卵巣から卵子が排出される「排卵期」のタイミングが妊娠しやすいといわれています。排卵日前、特に排卵の1~2日前と排卵日当日は最も妊娠しやすいため、妊活をされている方は排卵日をある程度把握しておくことが重要になります。

ただしこれはあくまで「妊娠しやすい日」の目安であり、他のタイミングで妊娠することもあり得ます。排卵期の次に妊娠しやすいのは排卵期の前の「卵胞期」だといわれており、その他の周期でも妊娠する可能性はゼロではありません。

妊活の初期段階として、まずは無理のないタイミングで性交渉の回数を増やしてみるのもよいでしょう。

2.妊娠しやすいタイミングの調べ方

妊娠しやすいタイミング、つまり排卵日を調べるには主に以下の方法を使います。

  • 前回の生理開始日から計算

    「生理周期-14日=生理が始まってから排卵が始まるまでの日数」と計算するのが排卵日を知るのに一番手軽な方法です。

    例えば生理周期が28日だった場合、排卵日は生理開始日から14日後ということになります。

    この計算方法は女性の排卵期と受胎期(妊娠しやすい時期)についてまとめた「オギノ式」と呼ばれる学説をもとにしたものです。この方法を使えば排卵日を簡単にある程度推定することができます。

  • おりものの変化

    排卵日が近づくとゼリー状の白いとろみのある形状のおりものが出る、排卵日の1~2日までにおりものの量が増えるなどの変化があらわれる方も多いです。

    おりものの状態は個人差がありますが、排卵日を判断するある程度の材料になるでしょう。

  • 基礎体温を測る

    さらに正確に排卵日を知るには、婦人用体温計を使って基礎体温を測るのがおすすめです。

    基礎体温は生理周期により微妙に変化があり、排卵日を境に低温期から高温期に入ります。

    普段から基礎体温を測っていれば、体温が上昇する日(=排卵日)の数日前からが最も妊娠しやすいタイミングだと分かるようになります。

  • 排卵日検査薬

    排卵日検査薬は排卵を指示するLHホルモン(黄体形成ホルモン)の分泌量を調べて排卵の開始を予測できるキットです。排卵開始前のタイミングを正確に把握したい場合は排卵日検査薬を使うとよいでしょう。

    こちらは医師の処方、もしくはドラッグストア等で購入することができます。

3.生理周期が妊娠のタイミングに与える影響

生理が始まってから、次の生理が始まるまでの期間を生理周期(月経周期)と呼び、およそ25~38日の周期で繰り返されます。

この生理周期が妊娠のタイミングにどのような影響を与えるかご存知でしょうか。少し詳しく見ていきましょう。

  • 月経期~直後は妊娠しづらい

    月経開始から月経直後にかけて、着床に必要な子宮内膜が体外に排出されます。また、妊娠に不可欠なプロゲステロン(黄体ホルモン)とエストロゲン(卵胞ホルモン)の分泌量が低下するため、比較的妊娠しづらいといわれています。

  • 排卵前に妊娠しやすい環境が整う

    卵胞期になると卵胞はエストロゲンを分泌し、着床に必要な子宮内膜を厚くしていきます。

    受精するために必要な厚さまで子宮内膜が増すと、脳からの指令によって卵巣から卵子が飛び出て卵管に入り、受精を待つようになります。これが排卵前妊娠しやすくなる仕組みです。

4.まとめ

妊娠しやすいタイミングは排卵の1~2日前と排卵日当日です。生理が始まってから排卵が始まるまでの日数は「生理周期-14日」の計算でおおよそ知ることができます。

ただし人によって排卵のタイミングが異なるため、もっと正確に知りたい場合は基礎体温の記録や排卵日検査薬の活用をおすすめします。自分のペースで妊娠しやすい環境を整え、妊活を進めていきましょう。

教えてくれたのは・・・
錦 惠那 先生
【保有資格】
内科専門医、産業医
【プロフィール】
関西圏の医学部卒業。現在は内科医として市中病院で診療を行っている。
腎臓病、透析医療を専門分野とし、産業医としても活動している。病気の予防は治療と同等に重要であり、予防医学の理解を深めてもらうため、病気やヘルスケア情報の発信にも取り組んでいる。
私生活では1児の母でもあり、日々育児にも奮闘している。
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