基礎体温の正しい測定方法
女性の体調管理に役立つ基礎体温。正しい測定方法を身につけ、妊活に役立てましょう。
本記事では基礎体温の正しい測定方法や基礎体温と妊活の関連性、基礎体温計の選び方をご紹介します。

- 【目次】
- 1.基礎体温の正しい測り方
- 専用の婦人用体温計を用意
- 目が覚めたら寝たまま測定開始
- 舌下のつけ根で測定
- 体調なども一緒にメモする
- 2.基礎体温と妊活の関連性
- 基礎体温が上がる前=妊娠しやすい
- 妊娠後は基礎体温が高くなる
- 異常に気が付くきっかけになる
- 3.検温方法の種類
- 実測式
- 予測式
- 4.婦人用体温計(基礎体温計)の選び方
- 防水仕様
- 記録機能
- バックライト
- 検温終了のお知らせ
1.基礎体温の正しい測り方
基礎体温の変化はかなり分かりにくいことも多く、正しい測り方を押さえておかなければきちんとした記録が取れない可能性があります。
まずは基本の正しい測定方法をチェックしましょう。
- 専用の婦人用体温計を用意
基礎体温を測るための「婦人用体温計(基礎体温計)」は、普通の体温計と違って小数第二位まで測定可能なのが特徴です。
基礎体温の記録では小さな体温の変化が重要になってくるため、必ず専用の婦人用体温計を用意しましょう。
- 目が覚めたら寝たまま測定開始
体を起こすと体温が上がり安定した測定が難しくなってしまうため、目が覚めたらすぐに測り始めましょう。
検温中に体温が上がらないよう、測定終了までは体を起こさず静かに待つことも大切です。
- 舌下のつけ根で測定
通常は脇の下を使う体温計が多いですが、婦人用体温計は温度の変化が出にくく安定している舌下で測定するのが基本です。
測定時は体温計の先を舌の下にある中央筋の根本の部分に当てるようにします。筋の先端ではなく、左右どちらかのくぼみに当てるようにしてください。口は閉じた状態のまま測定しましょう。
- 体調なども一緒にメモする
その日の体調や生活リズムによって基礎体温が上下するケースもあります。
体調や起床時間、睡眠時間がいつもと違う場合、性交渉の有無などを一緒にメモしておくと後から分かりやすいのでおすすめです。
2.基礎体温と妊活の関連性
基礎体温は、継続的に計測し続けられる環境を整えることが大切です。

- 基礎体温が上がる前=妊娠しやすい
健康な成人女性の場合、基礎体温は大きく高温期と低温期に分かれており、生理周期によって体温が上下します。
比較的妊娠しやすいと言われているのは排卵日前~当日で、排卵するとホルモンバランスの関係で高温期に入ります。
そのため低温期の終盤、体温が急激に下がってから排卵が起こる前の2~3日は妊娠する可能性が高いでしょう。こういった情報は妊活の参考になります。
- 妊娠後は基礎体温が高くなる
妊娠した状態になると、体温を上昇させるプロゲステロンと呼ばれる女性ホルモンが分泌され続けるため、高温期が続きます。
そのため高温期が2週間以上続いた場合、妊娠している可能性があるといえます。一つのセルフチェックにはなりますが、基礎体温を測り続けることで妊娠のサインにも早めに気付くことができます。
- 異常に気が付くきっかけになる
基礎体温の記録がきっかけとなり、無排卵や卵巣の機能低下など妊活を進めるうえで治療しなければならない異常を発見するケースも少なくありません。
基礎体温を測っていて気になることがある場合は、まず婦人科に相談してみましょう。
3.検温方法の種類
基礎体温は継続的に計測し続けられる環境を整えることが大切です。
婦人用体温計は「実測式」と「予測式」2種類の検温方法があるため、まずは検温方法の種類をおさえておきましょう。
- 実測式
実測式は実際の舌下体温を計測できる婦人用体温計です。
実測式では口内の温度が安定してから数値を出すため、測り終えるまでに5分程度かかります。
より正確な検温値を出すことができます。
- 予測式
実測式で毎日5分間体温を測るのは難しい、という方は短時間で予測検温値を出してくれる予測式での検温も可能です。
予測式の検温が終わった後、しばらく待つと自動で実測式に切り替えてくれる仕様の体温計もあります。
4.婦人用体温計(基礎体温計)の選び方
婦人用体温計の違いは検温方法だけではありません。自分に合った婦人用体温計を選ぶために、選び方のポイントをご紹介します。
- 防水
婦人用体温計は口の中に入れるものなので、毎回しっかり洗いたいという方も多いのではないでしょうか。
「衛生面が気になる」という方は、簡単に丸洗いできる防水の体温計がおすすめです。
- 記録機能
アプリ等と連携してデータを紐づけられるタイプの体温計も便利です。
少し価格帯が高くなりますが、測定した温度を自動で記録できる体温計もあります。測った後記録するのが面倒という方はそういった機能を持った体温計を選ぶとよいでしょう。
- バックライト
基礎体温は寝起きに測るため、暗い中で測定することも多くなります。
バックライト付きの体温計なら温度の表示が見やすくなるためおすすめです。
- 検温終了のお知らせ
検温が終わった後の報知方法(お知らせ)が切り替えられる婦人用体温計もあります。
一般的には音で検温方法を知らせる体温計が主流ですが、ご自分の使用状況に合わせて振動で検温終了を報知してくれるものを選ぶのがよいかもしれません。
5.まとめ
基礎体温は目が覚めてすぐ起き上がる前に測定し、舌下の左右どちらかのくぼみに入れるように体温計を差し込みましょう。毎日コツコツ基礎体温を測ることで妊活にも役立てることができます。
婦人用体温計を購入する際は、自分の測りやすいスタイルに合わせたタイプのものを選ぶのがおすすめです。

- 錦 惠那 先生
- 【保有資格】
- 内科専門医、産業医
- 【プロフィール】
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関西圏の医学部卒業。現在は内科医として市中病院で診療を行っている。
腎臓病、透析医療を専門分野とし、産業医としても活動している。病気の予防は治療と同等に重要であり、予防医学の理解を深めてもらうため、病気やヘルスケア情報の発信にも取り組んでいる。
私生活では1児の母でもあり、日々育児にも奮闘している。