体重編

基礎代謝について

人間が生命を維持するためには、エネルギーが必要です。

私たちの体は、運動をしているときだけでなく、食事をしているときや、寝ているとき、安静にしているときでも、呼吸や心臓の拍動、体温維持などを行っており、生命が維持されている限りエネルギーは消費されています。
この、生命維持のために必要とされる最低限必要なエネルギー量のことを基礎代謝量といいます。

基礎代謝はエネルギー消費が多い筋肉量によって決まります

一般に筋肉量が多く基礎代謝量が高い人ほど太りにくい傾向にあります。同じ体重でも体脂肪率が低く基礎代謝量が高い人ほど、たくさん食べてもどんどんエネルギーが消費されるので、結果的に脂肪が蓄積しにくい状態になります。
逆に基礎代謝量が低い人はエネルギーをなかなか消費できないため、余ったエネルギーが脂肪として体内にため込まれ太りやすい状態になります。
以下のような体質、症状のある人は基礎代謝量が低い傾向にあり、特に7項目以上当てはまる人は基礎代謝量が低いといえるでしょう。

  • 体温が35.9℃以下である
  • 月経不順である
  • 手足が冷える(冷え症)
  • 疲れやすく翌朝まで疲労が残る
  • あまり汗をかかない
  • 少量の食事でも太りやすい体質である
  • 肩こり、腰痛がある
  • 普段、体を動かすことが少ない
  • 普段、顔色が良くないと言われることがある
  • 低血圧である

基礎代謝は年齢や性別によって異なります

基礎代謝量は生後成長するにつれて高くなり、16~18歳前後をピークにその後は徐々に減り、一般に40歳を過ぎると急激に下降線をたどります。これは加齢によって筋肉が減少することが主な原因とされているためです。
年齢だけでなく、性別、体格、生活状況、体表面積、平均体温、食事や運動などの日常行動によっても基礎代謝量は異なります。体温が1度上昇すると基礎代謝量は約13%増加し、脂肪と筋肉では筋肉の方が脂肪よりも消費されるエネルギーが多いので、女性より筋肉量の多い男性のほうが基礎代謝量が高くなっています。

基礎代謝量が低いと肥満になりやすく、生活習慣病を誘発する原因になります。

基礎代謝量が低いと脂肪が蓄積しやすくなるため、肥満の原因になります。肥満の中でも特に内臓に脂肪がたまる「内臓脂肪型肥満」の人は、高血圧や糖尿病などさまざまな生活習慣病が起こりやすくなります。生活習慣病は複数の病気が相互に複雑な関係を持ちながら進展するため、普段から予防が必要です。
※基礎代謝量は「甲状腺機能亢進症(バセドウ病など、甲状腺ホルモンが分泌し過ぎる病気)」によって高くなるケースもあります

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