健康コラム

見た目だけではわからない
『隠れ肥満』のサインとは?!

昨今の生活様式の変化に伴い、運動不足などが原因で隠れ肥満(内臓脂肪型肥満)を気にする人が増えています。隠れ肥満が体に及ぼすリスクと対処法をチェックしておきましょう。

そもそも隠れ肥満とは

「隠れ肥満とは内臓脂肪が増えることにより、見た目は太っていなくても体脂肪が増えてしまっている状態のことを指します。」そう話すのは医師の石原新菜先生。主にどういった方が隠れ肥満になりやすいのでしょうか。
「スイーツやファストフード中心の食生活や運動不足など、生活習慣の乱れている人に多いです。」

隠れ肥満が体に及ぼす影響とは

隠れ肥満で内臓脂肪が増えると、体にどんな影響を及ぼすのでしょうか。
「内臓脂肪は血糖値を下げる役割を担う『インスリン』の分泌を妨害してしまうだけでなく、血圧を上げる有害物質も作り出します。食欲のコントロールが効かなくなり、さらに脂肪が増え、高血圧や高血糖など、様々な病気のリスクが高まっていきます。」

隠れ肥満を防ぐには

見た目ではわかりづらい隠れ肥満に早く気付くにはどうしたらよいのでしょうか。また、隠れ肥満を防ぐために意識すべきポイントは?
「まずは日頃から数値計測をして体の状態を把握しましょう。特にわかりやすいのが、腹囲を測ること。ズボンを履いたとき、足は入るのに腹部が入らないといった状況も1つのサインです。週1回程度の腹囲の計測で体の状態を把握するようにしましょう。さらに、代謝を促進するビタミン・ミネラル・タンパク質を積極的にとる食生活と1日20分程度のウォーキングやランニングなどの定期的な運動を組み合わせると効果的です。」

隠れ肥満を自分でチェック!

まずは下記4項目の数値を健康診断の結果などを参考に調べてみましょう。
一つでも基準値を上回った場合は隠れ肥満の可能性も?

  • BMI

    BMIの指数は「体重(kg)÷[身長(m)×身長(m)]」で求められます。正常値は18.5 ~ 25未満で、それ以上は肥満となります。正常値のなかでも「22」くらいをキープできているのがベスト。

    BMIを計算
    身長
    cm
    体重
    kg
  • ウエスト

    ウエストによるメタボの判断基準値は、男性で85cm、女性で90cm以上。よってBMIが正常値の範囲内でもウエストが上記の数値を上回る場合は、隠れ肥満の可能性も考えられます。

  • 体脂肪率

    健康的な体脂肪率の数値は男性で10 ~ 19%、女性で20 ~29%。それ以上の人は体脂肪率が高いため、BMIが正常値の範囲内であっても隠れ肥満の可能性があります。

  • 血圧

    血圧は最高血圧(心臓が収縮したときの血圧)が130mmHg 未満、最低血圧(心臓が拡張したときの血圧)が80mmHg未満の数値がベスト。最高血圧/ 140mmHg 以上、最低血圧/ 90mmHg 以上(自宅で計測する場合は最高血圧/135mmHg以上、最低血圧/ 85mmHg以上)は高血圧となり、注意が必要に。

教えてくれたのは・・・
イシハラクリニック副院長 石原新菜 先生
主に漢方医学や自然療法、食事療法などによる病気治療を行い、著書も多数執筆。クリニックでの診療をはじめ、親しみやすい人柄でテレビ、雑誌、ラジオなど幅広く活躍している。
掲載:KiiTa春号2021

文/岩岡明愛(KiiTa編集部)写真/Shutterstock.com

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