健康コラム

正しい体温測定の方法と注意点。平熱を知る重要性とは?

体の不調を感じたら、多くの人はまず体温を測ります。確かに体温は健康状態のチェックに非常に役立ちますが、正しい測り方を知っている人はどれだけいるでしょうか?

「平熱の差が大きい」「体温がすごく低い」「元気なのに高い体温が表示される」といった人は測定方法が間違っているのかもしれません。

この記事では、体温測定の重要性や種類、正しい測定方法、測るときの注意点について解説します。毎日の体調管理にお役立てください。

【目次】
1.体温測定の重要性
日々の体温測定が体調管理に役立つ
平熱を確認する方法
2.体温測定の種類
場所
表示方法
3.正しい体温測定の方法
4.正しく体温測定するための注意点
毎回同じ条件で測る
入浴・運動・飲食直後は避ける
起床直後は安静時か30分以上経ってから測定する
汗をかいたらタオルで拭きとる
体温測定時は安静にする
5.まとめ

1.体温測定の重要性

体調が悪いときに測定することが多い体温ですが、健康管理には毎日の計測がおすすめです。

  • 日々の体温測定が体調管理に役立つ

    体調管理に毎日の測定をおすすめする理由は自分の平熱を知るためです。

    日本では「平熱は36℃台、37℃以上は微熱や発熱」と考える人が多いのですが、実はこれは間違いとされています。体温は個人差が大きいため、一概に◯℃以上を発熱とすることはできません。

    体温は様々な理由で上下するもので、健康なときの変化差は1℃以内といわれています。例えば、平熱が36.4℃の人が37.3℃あっても、体に違和感がないのなら正常の範囲内といえます。

    この判断をするには、自分の平熱と体温の動きを把握することが重要です。

    体温は体調だけでなく、年齢やホルモンバランス、時間帯、ストレスなどでも上下します。例えば、1日の動きでは、早朝は低めで夕方に向かって上昇し、就寝前にまた低くなるのが一般的です。その他、食事や運動、入浴でも一時的に体温が上がります。

    体温は健康のバロメーターになるので、日頃から測定して平常時の体温を知っておきましょう。

  • 平熱を確認する方法

    自分の平熱は、毎日同じ時間や条件で計測して、日ごとの体温を比べて確認します。

    例えば、毎朝起きる前、毎夜寝る前などタイミングを決めて体温を測定します。食事や運動、入浴後は体温を上げるので、十分に時間を空けるのもポイントです。

    計った体温はノートやスマホなどに記載を残すと把握しやすくなります。女性は数値の変化をグラフ化すると生理周期の管理にも役立ちますよ。

2.体温測定の種類

体温計は体のどこで測るのが正しいの?予測式と実測式って何?といった疑問もありますよね。体温測定の種類についてみていきましょう。

  • 場所

    一般的に、体温はわき、口中(舌の下)、額、耳の4カ所のいずれかで測ります。それぞれに特徴や対応した体温計があるので、体温計の説明書を確認して正しい箇所で測りましょう。また、計測箇所で体温が異なるので毎回同じ場所で測ることも大切です。

    <わきの下>

    わきの下は最も一般的な体温測定の部位で、わき用の電子体温計を使います。やや時間はかかりますが正確性が高く、衛生管理もしやすいので日常使いに適しています。体温計の先をわきの中心部に当てておく必要があるので、他の人の体温を測る場合には慎重にはさみましょう。

    <舌の下>

    口の中は体温がわきよりも安定しているため、子ども用の体温計や基礎体温計(婦人用体温計)など0.01単位の繊細な体温変化の計測に向いています。衛生管理に気を遣う必要があるので個人専用や消毒アイテムを用意するのがおすすめです。また、飲み物の影響を受けやすいので飲食する前に測りましょう。

    <耳>

    耳は主に小さい子どもの体温測定に使われることが多く、耳式体温計で鼓膜温を測ります。鼓膜から発せられる赤外線量を赤外線センサーでとらえるためスピーディに計測できますが、耳の形によっては体温計が正しい向きにならず計測が難しいケースもあります。

    <額>

    非接触型の体温計は額から数センチ離した位置で測ります。額から発せられる赤外線量をセンサーで感知して体温に変換する方式です。スピーディで衛生的ですが、やはり外気温の影響を受けやすいので、室内で落ち着いたタイミングで測る方が良いでしょう。安定した正確さを求めるのであれば、わきや舌の下での計測がおすすめです。

  • 表示方法

    体温計の表示温度の計測方法は実測式と予測式の2種類があり、正確さや計測時間に違いがでます。

    <予測式>

    いま一般的に使われている体温計の多くは予測式です。測定開始からの温度と湿度の変化から約10分後の体温を予測して表示します。検温時間が短く済む反面、実測式より誤差が出やすい傾向があります。問題がない範囲内のものがほとんどですが、厳密な正確さが必要な場合はそのままわきに挟み続ければ実測式検温ができます。

    <実測式>

    実測式体温計は体から伝わる熱をそのまま表示する検温器です。厳密な体温が計測できますが、体温計が体温になじむのを待たなければならないため、わきで約10分、舌で5分以上の検温時間がかかります。

3.正しい体温測定の方法

最も一般的な、わきの下で体温を測定する方法をご紹介します。

動画:シチズン電子体温計の使い方~実は知らなかった?正しい測り方

  • ①腕をあげて体温計を斜め下方向(約30°)から押し上げます
  • ②わきの下のくぼみの中心部に測温部(先端)をあてます
  • ③体温計の表示部が体側にくるようにします
  • ④わきをしっかり閉じます
  • ⑤手のひらを上に向けます
  • ⑥もう一方の手でうでを押さえてわきを密着させます

4.正しく体温測定するための注意点

体温はちょっとしたことでも変動します。正確な体温測定をするために、以下のポイントに気を付けて測定しましょう。

  • 入浴・運動・飲食直後は避ける

    入浴や運動、食事の直後は体温が上がり高めの数値が出やすくなるため、直後の測定を避けるようにしましょう。入浴前や食事前がおすすめですが、やむ得ない場合は、30分後に体温が落ち着いてから体温を測定しましょう。

  • 起床直後は安静時か30分以上経ってから測定する

    朝の起きたては最も体温が下がっており、動き出すと激しく体温が上がります。基礎体温を測る場合は目が覚めて体を動かす前。通常の体温測定は起き上がってから30分以上経過してからにしましょう。

  • 汗をかいたらタオルで拭きとる

    汗をかくと皮膚の熱が奪われるため、わきや額で測った体温が低く出ることがあります。体温を測るときは事前に乾いたタオルで十分に汗を拭き取ることが大切です。濡れたタオルは表面温度を下げてしまうので使わないようにしましょう。

  • 体温測定時は安静にする

    体温を計測中に体を動かすと、数値が高く出ることがあります。体温測定中は、計測を終えるまで安静にして、あまり動かないようにしましょう。

5.まとめ

体調が悪くなった時に行うことが多い体温測定ですが、体温は個人差や時間帯による変動が大きく、自分の平熱や体温の動きを知らなければ正しい体調管理はできません。毎日決まったタイミング、同じ条件で計測することが重要です。

体温測定はわき、口内、額、耳などで行えますが、場所によって数値の正確さや数値に差があるので用途に合う箇所を選び、毎回同じ方法で測りましょう。

体温計の計測方法には実測式と予測式がありますが、一般的なのは予測式です。上昇率から予測した数値なので、正確さでは実体温を測る実測式の方が上ですが計測時間が短く、性能も良いものが多いので毎日の健康管理にはおすすめです。

体温は時間帯や運動、食事で上下するのはもちろん、汗や測る箇所でも変化します。正しい計測をして健康管理に活かしましょう。

参考:CTEB720VA 取扱説明書 ほか

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