健康コラム

体温の平均は?何度なら高い・低い?変動要因や低体温対策

コロナ禍の影響で体温を測定する機会が急激に増え、「久しぶりに自分の平熱を把握した」なんて人もいるのではないでしょうか?

平均体温を知ることは健康管理の基本ですが、個人差が大きく、測るときの条件によっても簡単に数値が変わってしまいます。「正常な体温」と判断するにはコツが必要なのです。

この記事では、体温の基礎知識や正常な範囲、体温が変動してしまう理由や対策について解説します。正しい知識を身に着けて日々の健康管理に活かしましょう。

【目次】
1.体温の基礎知識
日本人の平均体温
体温の正常範囲
2.体温の変動要因
3.体温が低くなる理由と対策
体温が低くなる理由
体温を上げるための対策
4.平熱を知って日々の健康管理に活かそう
5.まとめ

1.体温の基礎知識

今の体温が低いのか高いのかを正しく判断するには、普段の平均体温や正常の範囲を知らなくてはなりません。

  • 日本人の平均体温

    日本人の平均体温は、わきの計測で36.78℃といわれています。ただし、平均値から離れているからといって必ずしも不健康とは限りません。

    体温は体質や年齢、測る箇所や測る時間帯などによっても変化します。もとより個人差が大きいものなので、一般的な平均ではなく自身の健康な時の平均体温を知っておくことが大切です。

  • 体温の正常範囲

    日本では、健康時の体温が35.5~37.5℃とされることが一般的です。これは、厚生労働省が「感染症の予防及び感染症の患者に対する医療に関する法律」にて「37.5℃以上を発熱、38.0℃以上を高熱」という発熱基準を設けていることと、35.5~36.0℃以下は低体温と診断されるケースが多いことからきています。

    しかし、日本において「体温の正常範囲」に関する定義はありません。個人差が大きいため明確には定められていないのです。例えば、平熱が高い人は37.5℃以上あっても特に異常がないケースは珍しくありません。一方、平熱が低い人は37.5℃以下でも注意が必要です。

    自分の体温の正常範囲は、毎日体温を計測して平熱を知り、ふだんより1℃以上高いかどうかを判断基準にしましょう。

2.体温の変動要因

実は「健康ならずっと同じ体温」ということはありません。病気やケガなどの体の異変がなくても、体温は様々な要因で変動しています。

<体温の変動要因>

  • 計測する部位
  • 時間帯
  • 月経周期
  • 年齢
  • 運動や食事
  • 感情(ストレス)

体温は体の中心から外に向かって下がるため、測定する部位が違うと結果が変わってしまいます。また1日の体温は、朝の活動開始から上がり始めて夕方に最高値になり、その後は睡眠に向かって下がるといったように山形を描くように変化します。

さらに、ホルモンバランスや年齢、運動や食事、環境の影響も受けるので、正しい平均体温を知るには、「毎日」「同じ時間」「同じ個所」で測り、長期的に続けることが大切です。

3.体温が低くなる理由と対策

体温が35.5~36.0℃以下の人は「低体温」と呼ばれる状態です。血流が悪く、体調を崩しやすい状態になっている可能性が高いので注意しましょう。体温が1℃下がると基礎代謝も約12~13%低下するといわれています。

  • 体温が低くなる理由

    現代人が低体温になる主な原因は「筋肉量の低下」といわれています。体内でもっとも熱を生み出すのは筋肉運動なので筋肉量が減ってしまうと体温も下がってしまうのです。特に、栄養不足や運動不足、加齢による衰えを感じている人は低体温に気を付けましょう。

    栄養不足は筋肉を作る材料を不足させ、運動する活力も奪います。運動不足や加齢で筋肉を動かす機会や筋肉量が減れば、熱を生み出す回数が減少して体温が下がります。筋肉による熱量が下がると、じっとしているときに体温を保つ基礎代謝も下がるので体はどんどん冷えていきます。

    体の冷えは、免疫をはじめとした様々な細胞や器官の働きを低下させるため、感染症や消化器系、ホルモンバランスの不調、肥満などのトラブルを招きかねません。

  • 体温を上げるための対策

    体温を上げる生活習慣で低体温トラブルの対策ができます。ご紹介する以下の習慣を取り入れてみましょう。

    運動・筋トレ

    ウォーキングやストレッチなどで体を動かすと、血流が良くなり体温が上昇します。朝は運動や筋トレを行って、下がっている体温を持ちあげましょう。運動で体温を効率良く高められると日中も活動的に過ごせます。

    夜は入浴後にストレッチを取り入れると良いでしょう。体が温まって筋肉が緩みやすくなっているので心地よく体を動かせます。気持ちもリラックスして睡眠の質もよくなるでしょう。

    入浴

    入浴は毎日、40℃のぬるめの湯に10分程度つかりましょう。体を芯から温めると免疫細胞の活性化につながって風邪をひきにくくなります。

    食事

    食事では体を温める食材を積極的に摂りましょう。生姜やネギ、ニラ、根菜類などはもちろん、納豆や味噌、醤油などの発酵食品を意識して使用すると良いでしょう。根菜類や発酵食品は代謝を促して体を温める作用があります。

    防寒グッズ

    手袋やレッグウォーマー、マフラーなどの防寒グッズで寒さから体を守ることも大切です。ポイントは、三首(手首・足首・首)を温めること。三首に通っている太い血管が外気で冷やされると体全体の冷えにつながります。

4.平熱を知って日々の健康管理に活かそう

体温は個人差が大きいため、一般的な体温の範囲(35.5~37.5℃)からはみ出たからといって異常があるとは限りません。まずは自分の平熱を把握して、普段の体温から1℃以上の変化があるかが1つの判断基準になります。

体温は測る部位、時間帯や運動量、周囲の環境などでも変化します。平均体温を測定するときは、同じ時間、同じ測定部位、同じ環境で行いましょう。ホルモンバランスやストレスなどでも変化するので、毎日計測して日ごとの体温を記録しておくといいでしょう。

また、外出先などで使う非接触式体温計は短時間で測定できて便利ですが、周囲の温度の影響を受けやすいため、正確な平均体温を計測したい場合は口内やワキ下で測る接触型の体温計がおすすめです。

5.まとめ

日本人の平均体温はワキ下の計測で36.78℃といわれています。一般的な正常範囲の目安は35.5~37.5℃ですが、体温は個人差が大きいため平均体温はあくまで目安と捉えて、自分の平均体温を把握して判断することが重要です。

体温は測る部位、一日の時間帯や運動量、年齢や月経周期、環境、ストレスなどでも変動するため、平均体温の計測は同じ時間・同じ部位・同じ環境で行いましょう。

近年は運動不足や加齢による筋肉量の減少から低体温の人が増えています。免疫低下や消化器系トラブルなどの原因になるので、体温を上げる生活習慣を取り入れて改善していきましょう。

【参考サイト】

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