健康コラム

フレイルと認知症は互いのリスクを上げる!
危険度セルフチェックと予防方法

「フレイル」という言葉を耳にしたことがあるでしょうか。年齢とともに心身の衰えを覚え、若い頃とは違うと感じている方も少なくないでしょう。
フレイルは認知症とも関係しているため、早めに気づいて、対策をとることが大切です。

ここではフレイルの基礎知識とセルフチェック方法、認知症との関係性について解説します。健康な体作りとしてフレイルの予防法も紹介しますので、参考にしてみてください。

フレイルと認知症は互いのリスクを上げる!危険度セルフチェックと予防方法
【目次】
1.フレイルとは
フレイルとは
フレイルの種類
セルフチェック
2.フレイルと認知症の関係
3.予防の3つの柱
①食べる:栄養バランスの整った食事
②動く:有酸素運動
③つながる:1日1回外出
4.健康寿命を延ばす基本は日々の健康管理
5.まとめ

1.フレイルとは

フレイルとはどのような状態を指すのでしょうか?フレイルの種類やセルフチェックの方法をみていきましょう。

  • フレイルとは

    フレイルとは、年齢とともに筋力や心身の活力が低下した虚弱な状態のことです。「健康な状態から要介護に至る中間に位置する状態」ともいわれています。

    疾病や事故などの突発的な要因がない場合、多くの高齢者がフレイルを経て要介護へと進みます。フレイルは老化の坂道を下るような状態ですが、可逆的であり、ある程度の予防や対策を打つことが可能です。

  • フレイルの種類

    フレイルは大きく3種類に分けられます。これら3つの要素が重なり合い、フレイルは進行していくといわれています。

    ①身体的フレイル
    ②認知・精神的フレイル
    ③社会的フレイル

    体の衰えは「身体的フレイル」に分類されます。筋肉量低下による転倒の危険や嚥下障害などの可能性が高まるでしょう。その他にも、物忘れや外出が億劫になるなど、うつや認知症の症状が表れる「認知・精神的フレイル」、人と関わる機会が少なくなることで進む「社会的フレイル」があります。

  • セルフチェック

    フレイルが進行しているかは、日常生活に表れます。下記の5つの項目でセルフチェックしてみましょう。

    1 体重減少 6ヶ月で2kg以上体重が減っている
    2 筋力低下 握力が以下の数値まで低下している
    男性:28kg未満 女性:18kg未満
    3 疲労感 ここ2週間以上、わけもなく疲れを感じる
    4 歩行速度 1m歩くのに1秒以上かかる(通常歩行速度<1.0m/秒)
    5 身体活動 1週間に1度も運動をしない(軽い運動や体操も含む)

    参考資料:国立長寿医療研究センター「2020年改訂日本版CHS基準(J-CHS基準)」

    • 3項目以上該当する:フレイルの可能性が高い
    • 1~2項目以上該当する:プレフレイルの可能性あり
    • 該当なし:健常

2.フレイルと認知症の関係

フレイルになると認知機能が低下しやすく、認知症発症のリスクが高くなることが報告されています。反対に、認知機能が低下すると身体活動量が減少するため、フレイルが進行しやすくなるとも考えられています。

フレイルと認知症を併発すると、外出が減り、運動やコミュニケーションの機会も少なくなってしまいます。身体機能も低下して死亡リスクが上昇するため、フレイルが進む前に予防に努めることが重要です。

3.予防の3つの柱

ここではフレイルを防ぎ、要介護や認知症のリスクを減らすのに大切な3つのポイントを紹介します。

  • ①食べる:栄養バランスの整った食事

    いろいろな種類の食材を使った食事はフレイル予防に役立ちます。食材の種類が豊富な日本の食事に近い地中海式の食事は、認知機能低下を予防するという報告もあります。栄養バランスの偏りを避け、バランスのよい食事をしっかりと摂りましょう。

  • ②動く:有酸素運動

    フレイル予防のために適度な運動を心がけましょう。ウォーキングやエアロビ、水泳などの有酸素運動がよいとされています。ウォーキングなら1日5,000歩以上を目安に歩くと、筋力の低下防止につながります。

  • ③つながる:1日1回外出

    外出はフレイルを防ぐのに重要です。身体活動や認知活動の量が増え、頭と体を活性化できます。買い物、散歩など目的は何でもいいので、1日1回は外からの刺激を受けるよう意識しましょう。

4.健康寿命を延ばす基本は日々の健康管理

フレイルや認知症を予防して健康寿命を延ばすには、日頃から健康管理が欠かせません。個人でできる健康管理としておすすめなのは、体重や体温、血圧などを計測して食事・運動量の改善に役立てることです。

シチズンの体組成計は体重や体脂肪率はもちろん、BMIや目標体重との差、筋肉量まで計測。日頃の体重管理をサポートしてくれます。

フレイルの表れ方や進み方は人それぞれです。フレイルにならないように予防し、フレイルになっても早めに対処することで健康的な身体を長く維持しましょう。

5.まとめ

加齢によって身体能力の衰えや気力の低下など虚弱な状態になることをフレイルといいます。フレイルがきっかけで認知機能が低下することもあれば、認知機能の低下ともにフレイル状態が進行する場合もあります。

バランスの取れた食事、適度な運動、人との関わりを意識すれば、フレイルは予防・改善することが可能です。毎日の体重計測で自身の健康状態を把握し、日頃の健康管理を行いましょう。

【参考URL】

「令和3年12月作成版 元気高齢者のための健康長寿ガイドブック」(大阪府後期高齢者医療広域連合)
https://www.kouikirengo-osaka.jp/material/pdf/guidebook/2021-12guidebook-page/kenkotyoju-guidebook2021-12.pdf

国立長寿医療研究センター「2020年改訂日本版CHS基準(J-CHS基準)」
https://www.ncgg.go.jp/ri/lab/cgss/department/frailty/documents/J-CHS2020.pdf

「認知機能低下とフレイルおよび認知症と転倒」(健康長寿ネット)
https://www.tyojyu.or.jp/net/topics/tokushu/koreisha-tento-kossetsu-yobo/ninchikinoteika-fureiru.html

「「フレイル」を専門家が解説 認知症との関係や心の問題、チェック方法も」(なかまぁる)
https://nakamaaru.asahi.com/article/14453267

「フレイルの基礎、はじめから、ていねいに フレイルと関連性のある疾患を知る フレイルと認知症」(漢・方・優・美)
https://www.kampoyubi.jp/learn/flail/pdf/f03_04.pdf

「フレイル・認知症予防には運動と栄養 両面からの対策を」(米穀安定供給確保支援機構:米ネット)
https://www.komenet.jp/samit/pdf/2018_02.pdf

「認知症予防に役立つフレイルの予防」(介護用品レンタル ダスキンヘルスレント)
https://healthrent.duskin.jp/column/library/195/index.html

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